Sr.ルカの独り言:2021年2月3日
修道会創立当初から
数えきれないほどの日々、毎日の営みを
修道者として生きてきた一人の姉妹が
今、地上でのいのちの最後の時を生きています。
天の国に帰り、父である神の永遠のいのちの懐の中に入る
「通過」の時、「過越」の時を生きています。
その「荘厳な時」に、私の今日があります、
私たちの「普通の日々」があります。
神の民は、そうやって
唯一の神の地上の「住まい」となり
天の住まいに帰る旅を、世代から世代へと継ぎ、渡し、
数千年間、続けてきたのでしょう、
そしてこれからも、世の終わりまで
その歩みは続くのでしょう。
***
教皇フランシスコはしばしば
人生の先輩、信仰の先輩たちから受け取った「根(ルーツ)」に
しっかりととどまり、
その根から、新しい創造的な「実り」を結ばせるよう勧めています。
「根」がなければ「実」は結ばないし、
「実」がなければ、「根」はその目的を達成しません。
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教皇フランシスコは2021年1月31日の「お告げの祈り」の後、
2月2日に「主の奉献」の祝日を祝うことに触れ
二人の老人、シメオンとアンナが
聖霊に照らされ、幼子イエスの中に「メシア・救い主」を認めたことを
思い起こしました。
教皇はさらに続けます、
「聖霊は今日もまた年配者(高齢者)の中に
知恵の言葉、考えを生じさせています」、
「神への賛美を歌い、民の根(ルーツ)を守る
高齢者たちの声は貴重です」。
実際、二人の高齢者シメオンとアンナは私たちに、
「年を取るとは賜物であること、
祖父母たちは、若者たちに人生と信仰の経験を伝達するための
世代間を結ぶ輪であることを思い起こします」。
それにもかかわらず私たちは
ひじょうにしばしば祖父母たちの「宝」を忘れている、
「根(ルーツ)を守り伝達する」この宝を、
忘れている、と教皇は言います。
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それらの理由から、教皇フランシスコは
「祖父母と高齢者の世界デー(la Giornata Mondiale dei Nonni e degli Anziani)」を制定し、それは毎年、イエスの「祖父母」である聖ヨアキムと聖アンナを記念する日(7月26日)の近く、7月の第四主日に祝われる、と発表した。
そして、教皇がよく繰り返す言葉が続きます。
「祖父母たちが孫たちに会い、
孫たちが祖父母たちに会うことは大切です。
預言者ヨエルが言っているように[ヨエル3・1参照]
祖父母たちは孫たちの前で夢を見、幻[大きな望み]を持ち、
若者たちは祖父母たちから力をもらい、
預言しながら前に進むでしょう。
まさに2月2日は、祖父母と孫たちとの出会いの祝日です」。
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実際この祝日は
「出会い(Hypapante)」の祝日とも呼ばれています。
旧約と新約の出会い。
「東方教会の典礼テキストは老シメオンを
預言者たちの中で最も偉大な者、モーセ以上でさえあるとたたえている。
シメオンは『神の見た者』という呼称に値する。
神はモーセに、暗闇に覆われて現れたが、
シメオンは、永遠の受肉したみことばを自分の腕に抱いたからだ」
(L. Ouspensky – V. Lossky, The Meaning of Iconsより)。
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貧しい夫婦が神殿に連れてきた、
一見して「普通の幼子」の中に
待望していたメシアを見た
年老いたシメオンとアンナの忍耐、謙虚さ、
聖霊の導きへの素直さに倣うことが出来ますように。
目まぐるしく多様な情報が交差する世の中で、
決して変わらず一貫した「神の約束の実現」の営みを
清い心で「見る」ことが出来ますように。
今朝の独り言でした。
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