Sr.ルカの独り言:アジア・オセアニア部門会議一日目(2021年9月9日)

9月9日から11日までの三日間、言語別部門会議が始まりました。


アジア・オセアニア部門は日本時間で16時から。「アジア・オセアニア、マリアン・アカデミー」(通称AOMA)長官のデニス神父がホストとなってGoogle Meetで行われました。


一日目、9月9日(木)はインド、パキスタン、インドネシアからの発表があり、全体で30名前後の参加がありました。


今日の発表者たちは、主に、教皇庁立「マリアヌム」神学院の現在の学長でもあるデニス神父が、アジア各国の、マリアヌムの博士課程を修了した元学生たちにコンタクトを取り、それに答えてくれた方たちでした。


パワーポイント画面表示が思うようにいかなかったり、いくつかの小さなトラブルがありましたが、司会のSr.イザベル(Isabell)の適切な進行と、デニス神父の、彼特有の柔和さ、温和さをもった対処でカバー。デニス神父が創り出した「家庭的な」空間は、会議を落ち着いたものにしてくれました。


パワーポイント資料が思うように使えなかったため、発表の中でのその土地の文化、地名や名前など、私たちにとって初めて聞く内容を把握することが難しかったのが残念です。デニス神父は、後からパワーポイント資料を参考として送ってくれるよう、発表者に頼みました。


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発表についてのいくつかのポイントを共有します。


Sr. Jincy(マリアヌムで博士課程修了)は、インド社会の中で、しばしば困難な状況を強いられている女性たちの視点から、マリアの姿を見つめました。彼女はマリアを、いのちを守るための苦労を知っている母、いのちを守るために戦いをあきらめない勇気ある女性として見つめ、また、孤立するのではなく弟子たちと共に歩む共同体性について指摘しました。


Arokiam神父(インド)(教皇庁立Antonianum大学で博士論文執筆中)は、様々な「顔」、文化の混在するアジアにおける、①マリアの役割、②マリアの役割を見分ける際の問題、③問題解決の提言について、マクロの視点で語りました。彼が示す解決法の中には、教皇フランシスコからインスピレーションを受けた次のポイントがありました:◎「受肉の原則」を真摯に捉える、◎「イエスの思い」で観想する(新しい「考え方、物の見方(mind-set)」)、◎統合的な(インテグラルな)視点。これは「母」の視点とも言えます(母はさまざまな小さな文化が消えないように守ります)。


Vianney神父(パキスタン。現在、フィリピンで活動)(マリアヌムで博士課程修了、聖書学者)は、テロ活動が頻発し、時に宗教行事がターゲットにされる、というパキスタンの状況を確認します。そのうえで、宗教の多数派はイスラム教であり、キリスト教とヒンズー教は少数派であるこの国において、イエスの母マリアの平和のための役割が重要であると、熱心に語ってくださいました。


実際、パキスタンに置いて、イスラム教徒、ヒンズー教徒は、キリスト教徒と共に、聖母マリアを「一致の母」「聖なる女性」として崇敬し、聖母巡礼地にはこれらの信徒たちが大勢訪れてます。Vianney神父は、聖母マリアの執り成しは、宗教の違いを越えて一致させる力があり、ゆえに、マリアが一致のしるしとして留まる限り平和の道への希望がある、と力強く述べました。


最後の発表者、インドネシアのFidelis神父は、インドネシアの人々が「Tuan Ma(主の母)」と呼ぶマリアへの崇敬、特に「Larantukaの民の女王」としての悲しみの聖母への崇敬について語りました。


最後にデニス神父が、発表者、参加者全員に感謝を述べ、これからもAOMAの歩みを共にして欲しいと願いました。

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